日本チーム受け入れの理由は「台湾より高性能な生命探知機があり例外だ」。
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《【台湾地震】台湾、支援受け入れめぐり日中差 「謝絶」された中国が反発、日本にも抗議》
2018.02.09 産経新聞【北京=藤本欣也、台北=田中靖人】中国政府が、台湾の蔡英文政権が東部地震で取った対応で、日本との差があると反発している。蔡政権が中国からの救援隊派遣の申し出を「謝絶」する一方、日本からは専門家チームを受け入れ、首脳間で緊密なやりとりをしたためだ。中国は日本にも抗議し、蔡政権の頭越しに被災地の花蓮県長(知事)と連絡を取り台湾世論の分断を図っている。
日本政府は8日、安倍晋三首相の見舞い文を窓口機関を通じ台湾に伝達した。首相官邸がサイトで公表した文面は当初、あて先が「蔡英文総統閣下」と肩書・敬称付きで表記された。台湾側は「1972年の断交以来」(研究者)と評価。蔡氏は8日、ツイッターに日本語で謝辞を投稿し、花蓮の避難所を視察した際に「安倍首相に感謝する」と表明した。首相は9日、さらにこの投稿にリツイートし、日台の緊密ぶりをアピールした。
これに対し、中国外務省の耿爽報道官は9日、「『一つの中国』原則に反し極めて不満だ」と述べ、日本に抗議したことを明らかにした。「総統」の表記は台湾を国家として認めるもので、「台湾は中国の一部だ」とする中国の主張に反するという論理だ。官邸のサイトでは現在、あて先が削除されている。中国の抗議に対応したとみられる。
一方、中国国務院台湾事務弁公室の張志軍主任は地震発生翌朝の7日午前、花蓮県の県長に直接電話し、「両岸(中台)の同胞の血は水よりも濃い」と救援隊の派遣を申し出た。中国政府は蔡政権発足後も、花蓮など中国国民党系の8県・市には観光や農産品購入で優遇策を取っている。
中国政府の申し出に、蔡政権は「海外の援助は必要ない」(大陸委員会)と謝絶。総統府は日本チーム受け入れの理由は「台湾より高性能な生命探知機があり例外だ」と説明している。
捜索活動に向かう台湾の救助隊員(奥)に捜索機器の説明をする日本の救助隊=9日、台湾・花蓮市(共同)http://www.sankei.com/world/news/180209/wor1802090038-n1.html