財政委員会(エレベーター契約の随意契約について)
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平成23(2011)年6月28日
財政委員会
〇吉田委員 私からは、契約案件の都庁舎のエレベーター改修工事二件に関してお伺いをいたします。 今回、当該工事二件については、いずれも随意契約とされているわけであります。通常、工事の発注は、競争性を担保するため競争入札が行われるものと承知しております。今回は、建設時に設置された設備の更新ということでありますので、これ、建設時においては、当然というか、競争入札で入札をしたんだということだと思いますが、確認のためにお伺いします。
〇藤森庁舎運営担当部長 今回の契約案件対象の二工区とも、都庁舎建設時のエレベーター設置に関しましては、指名競争入札により落札者を決定し、契約を行ってございます。
〇吉田委員 ありがとうございます。これは当然それで、次に、本当は、今回あえて随意契約とした理由についてお伺いをしようと思ったんですけれども、先ほど菅理事から同じ趣旨のご質問があって、これについて、きちんと特命随意契約とした理由についてご答弁をいただきました。 このご答弁の内容を私もお聞きしておりまして、なるほど、これはやむを得ない面があるなということで理解いたしましたので、この質問は省略をさせていただいて、次の質問に移らせていただきます。 私はかねがね、公共施設の整備について、トータルコストを考慮した形で行うことが必要であろうというふうに考えております。例えば、工事のやり方によっては、故障の頻度あるいは維持管理の方法に差が生じてくるなど、後々の維持管理に必要とされるコストが異なってくるということが十分考えられるわけであります。 とりわけ建設当初は、当然入札をするんですけれども、保守管理が今回のように随意契約になる方がいいんだというような場合には、よりトータルコストを考慮した形で、いろいろと検討していくことが大事だと、重要だと考えるわけであります。 そこで、公共施設の整備においては、ある部分のコストのみに注目するだけでなくて、施設に関するトータルコストを考えて取り組むことが重要だという点について、都のご認識を伺います。
〇末菅建築保全部長 公共工事につきましては、計画、建設及び維持管理の各段階におきましてのコスト管理は、トータルコスト、すなわちライフサイクルコストの最少化への取り組みとして重要な視点であると認識しております。 平成九年度から、全庁的なコスト縮減計画に基づきまして各局が実施計画を策定し、財務局におきましては、三回にわたる実施計画を通しまして、厳しいコスト管理を行ってきたところでございます。 平成十九年度からは、財務局建築コスト管理二〇〇七に基づきまして、公共建築物におけるライフサイクルコストの最少化とともに、社会的コストなどを含めた総合的なコスト管理の実施に取り組んでおります。例えば、施設の長寿命化に資する設計を行うことによるライフサイクルコストへの配慮や、環境負荷低減などの社会的コストに対する取り組みなどが挙げられます。 今後も、これまでに実施してきた取り組みを継続しつつ、技術革新やさらなる工夫による新たな取り組みも取り入れながら、着実にコスト管理を実施してまいります。
〇吉田委員 ありがとうございます。都の基本的な、トータルコストの管理と縮減というものが重要だとのご認識があるということをしっかりとご答弁いただきまして、ありがとうございます。 そこで、このトータルコストに配慮するという面で、今回ご答弁がなかなか難しいかもしれませんので、提案ということをさせていただきたいと思います。 今回、案件とされているエレベーターなどの設備関係については、設備の設置後、保守管理のための委託を行うことになります。仕様は同じでも、設置者によって保守管理を行う範囲や内容が異なる場合もあります。このような場合、当然、保守管理のコストが違ってきます。さらに、保守管理のコストのみならず、保守の内容によっては、改修までの期間が長い、短いといった差も生じてくることになります。 つまり、当初の設置費用だけで設置者を決めるという現状のやり方が、トータルコストということを考えるときに、そういう視点で見た場合に、果たして発注者にとって有効なのか疑問だと、こういう問題があるわけです。 私は、設備設置のためのコストに加えて、保守管理のコストをも考慮したトータルコストの考え方を指標として組み込んで設置者を決定するという方法をぜひ検討していただきたいと、こういうふうに考えている次第です。 確かに、保守期間が長期にわたったり、技術革新によって将来の保守の内容が変化するということも考えられて、保守の内容をどうやって当初の段階で評価し、そして担保していくかといった解決しなければいけない課題が、大変難しい課題があると思いますが、ぜひ前向きに取り組みをお願いしたいと思います。 現在の工事などの契約については、各種の法令や分離分割の原則、あるいは専業性の観点などから現状のやり方の姿が形づくられて実施されていることは重々承知をいたしております。ですから、今すぐ変更と、ご答弁いただくわけにはいかないと思いますけれども、この原則的なお立場の中で、トータルコストのメリット、デメリット、どうやったら実現できるか、こうした問題提起だというふうに受けとめていただいて、ぜひしっかりとご検討をいただきたいと思います。 私も皆様も、発注者にとっての、コストの面でも、品質の面でも、よりよい選択を目指すというところにおいて一致しているということを念頭に置いて、お考えとしては前向きに考えなければいけない問題だというようなご感触を私は共有していると思っております。ぜひご検討をお願いいたしまして、私からの質問を終わります。
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