各会計決算特別委員会 (都営住宅について)
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平成21(2009)年10月21日
厚生委員会
〇吉田委員 次に、都営住宅に関連してご質問を申し上げてまいります。 平成十八年六月の住宅政策審議会の答申の中で、都営住宅の入居者の募集、選考方式に関して、より困窮度の高い者が都営住宅に優先的に入居できるよう、入 居者の募集、選考方式を改善すべきであると、このように指摘をし、ポイント方式の募集枠の拡大を行うべきだ、このようにしておりますことから、私は同年十二月の都市整備委員会において、ポイント方式を今後できる限り拡大していくべきだと考えますけれども、どうでしょうかと、このように質問し、そしてご答弁として、住宅困窮度がより高い方から入居を認めるポイント方式は、真に住宅に困窮する都民に都営住宅を的確に供給する上で有効な方法と考えております。ご指摘の点につきましては、答申を踏まえ、優遇抽せんなど他の優先入居制度との整合性を図りながら検討してまいりたいと考えておりますと、このようなご答弁 をいただきました。 そこで、このポイント方式の二十年度の募集の実績と、この募集全体に占める割合、そしてその後の検討取り組み状況についてお伺いをいたします。
〇岡沢経営改革担当部長 都営住宅の入居募集に関するポイント方式についてのお尋ねでございます。 ポイント方式と申しますのは、お話のとおり、住宅困窮度を判定いたしまして、困窮度がより高い応募者の方から入居を認めるといった方式でございまして、真に住宅に困窮している都民に対して都営住宅を的確に供給していく上で、有効な方法の一つでございます。 この方式によります二十年度の募集戸数でございますが、これは二千五百八十一戸となっております。これは都営住宅全体の募集戸数の約三割に相当しております。 一方、ポイント方式以外の方式、これは抽せんによるものですけれども、抽せんによる一般募集では、入居希望者が非常に多く、応募倍率がとりわけ高い実態もございます。ポイント方式の拡大につきましては、こうした状況も踏まえまして、優遇抽せんなどの他の制度との整合も図りながら、引き続き検討してまいりたいと思っております。
〇吉田委員 ありがとうございます。約三割と、これは特にそんなに急速に伸びているというわけではなくて、横ばいというか、そういう数字であります。 これ、一般募集も応募倍率が非常に高いという実態はもちろんあるわけですけれども、このポイント方式というのは、一般募集に応じられる方の中で、さらに 本当に困窮している方が優先して応募できるからポイント方式という、一般よりさらに困窮している方々にとっての制度でありますので、こういう方々により優 先して都営住宅を供給する、こういう姿勢が大事だと思うんですね。 いろいろと他の制度との整合性を図りながらというご答弁でありますが、引き続きこのポイント方式の拡大についてご検討を深めていただきたい。お願いを申 し上げます。 次に、都営住宅の入居者の収入に係る基準、入居収入基準についてお伺いをいたします。 国の社会資本整備審議会が平成十七年九月に出した答申、新たな住宅政策に対応した制度的枠組みについてでは、この基準について、生活保護制度等の施策対策の考え方も視野に入れて、真の住宅困窮者の入居が図られるよう、基準のあり方について検討を行っていくべきであるとしております。この入居収入基準に係 る国のその後の動向と、それから都の対応についてお伺いをします。
〇岡沢経営改革担当部長 入居収入基準についてのお尋ねでございます。 公営住宅を住宅困窮者に対しまして公平かつ的確に供給するため、平成十九年十二月に公営住宅法の施行令が改正されました。二十一年四月から入居収入基準 の引き下げが施行されているところでございます。 東京都は、この改正を踏まえまして、昨年度来、制度改正の円滑な実施に向けて準備を進めてまいりました。そういたしまして、本年四月からは改正後の収入基準に基づきます入居者の募集を行っているところでございます。
〇吉田委員 これ、従来よりもより本当に困っている方に基準を下げて募集をしていくということで、これは円滑に引き続ききちんと取り組んでいただきたいと思います。 この項の最後に、現在の都営住宅の居住者についてお伺いをしてまいります。 今の話ともつながるんですが、本来の入居対象の階層を超えた収入超過者、この中には、明け渡し請求の対象となる高額所得者と、それから明け渡し努力義務 がある方と、いるわけであります。年々そういう入居者の方は減少してきているとはいえ、収入超過者の自主的な退去を促し、その住戸を本当に困窮している方の募集に有効に活用すべきであると考えます。 そこで、まず、二十年度の高額所得者の明け渡しの実績をお伺いします。そして、また、収入超過者については、これは平成十九年度からですか、段階的に家 賃を引き上げて、一定の期間の後は市場の家賃並みの負担となるように制度を見直して、強化をしたと認識しておりますが、これまでの取り組み状況についてお伺いをいたします。
〇岡沢経営改革担当部長 都営住宅の高額所得者並びに収入超過者についてのお尋ねにお答えいたします。 まず、二十年度の高額所得者の明け渡し件数でございますが、これは百十八件となっております。それから、収入超過者に対する措置でございますが、ただいまのお話のとおり、平成十九年度から収入超過者の割り増し使用料の算定方法が改正されまして、収入超過の度合いに応じて、一定期間後に近傍住宅家賃になる ように、割り増し額を毎年増額する方式となりました。こういう方法で、収入超過者の自主的な退去を促進しているところでございます。 具体的な施策といたしましては、明け渡しを促します文書を送付するでありますとか、それから居住者に向けて広報紙、「すまいのひろば」というんですけれども、これをつくっておりまして、これで周知を行っております。また、このほか公社住宅でありますとか都市再生機構住宅へのあっせんなどを引き続き行っているところでございます。
〇吉田委員 この二十年度も含めて、都営住宅の運営の方針、取り組み状況について、わかりました。 今、質疑をしていた目的は、より本当に困っている方に都営住宅は供給されるべきであると。より高額な所得の方とか、そういう方が住んでおられるような状況を一刻も早く改善をして、困っている方に、こういう意味でお取り組みをしっかりとやっていただいておりますので、引き続きやっていただきたい。そして、期限つき入居など、その他の施策も含めて、引き続きより困っている方にということを推進していただきたい、このようにご要望を申し上げます。
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