環境・建設委員会 (産廃Gメンについて)

平成21(2009)年3月18日

環境・建設委員会

〇吉田委員
 お疲れさまでございます。私、ラストバッターですけれども、てきぱきとやらせていただきます。
 まず平成二十一年度予算、それから今回の環境確保条例改正案、それから自然保護条例の改正案を初めとする議案でございますけれども、私もこの委員会でこれまでいろいろと要望申し上げていた内容も含めて、さまざまな配慮をして反映していただいているものと思いまして、大変感謝をいたしております。
 この中で、本日は何点かご質問させていただきますが、まず廃棄物対策の中で、不法投棄に関することについてお伺いを始めたいと思います。
 去る二月二日に、品川区の産業廃棄物処理業者が無許可業者などから収集した産業廃棄物約四十立方メートルを自社の敷地内に不法に埋め立てたとして、関係者四名が警視庁に逮捕された事件がマスコミで報じられました。
 まず、この事件について東京都はどのように調査を行い対応したのか、お伺いをいたします。


〇井戸廃棄物対策部長
 この事件につきましては、昨年の七月、処理業者が自社の敷地内に産業廃棄物を不法投棄しているという情報がありましたため、不法投棄対策係の職員、いわゆる産廃Gメンが張り込み調査や現場の試掘を行いまして、コンクリートがら等の廃棄物が違法に埋め立てられていることを確認いたしました。さらに、帳簿類の調査ですとか、あるいは会社の役員からの事情聴取などを行いまして、行政処分に向けた手続を進めておりました。
 二月二日に警視庁が同社の役員など関係者を不法投棄の容疑で逮捕いたしました。都としましても、それまでの調査内容に基づきまして、当該処理業者の許可を同日付で取り消したところでございます。


〇吉田委員
 都の産廃Gメンが日ごろから監視活動によって不法投棄の防止や早期発見の強化に努めておられて、このように社会を騒がすような事件においてもしっかりと活躍をしていただいているというのは、非常に心強い限りでございます。
 ただ、我々都民はこのような事件でもない限り、産廃Gメンという方々の活動の実態をなかなか知る機会がございません。そもそも東京都の産廃Gメンとはどのような組織なのか、我々都民にはほとんど知られておりません。また、近年、不法投棄の手口は年々巧妙化する傾向にありまして、警察などとも連携をとらなければ、効果的な摘発は大変難しいだろうというふうに推察するわけであります。さらに、広域的に発生する不法投棄に対応するためには、他の県や自治体との協力関係の強化も欠かせないと思います。
 こうした点について、都の産廃Gメンがどのような体制をしいて監視活動や調査活動に当たっているのか、お伺いをいたします。


〇井戸廃棄物対策部長
 都の産廃Gメンは、都庁のプロパー職員のほか、警視庁から派遣を受けております現役の警察官や警視庁OBの非常勤職員、総勢十五名で構成されております。
 産廃Gメンは、不法投棄の疑いのある事案につきまして、事実確認のための調査や産廃処理場の立ち入りなどの活動を行っておりまして、その活動範囲は都内にとどまらず関東全域に及んでおります。他の自治体とも日ごろから緊密な情報交換や合同立ち入りなどを行っておりますほか、暴力団などが絡む悪質な事案の場合には、警視庁や他の県警などとも連絡をとり合って対応しております。


〇吉田委員
 だんだんと勉強させていただいておりますが、悪質、巧妙化する不適正処理に対して、東京都が強力な布陣をしいて不適正処理の摘発に臨んでいただいているということがわかってまいりました。
 その産廃Gメンの活動につきまして、私の方で入手した資料を見ておりますと、この産廃Gメンの年間の立入調査件数は、平成十七年度では約百四十件、他方、平成十九年度では約二千百件と、数字で見る限り、年によって相当のばらつきがあるということで、これはつまり内容も随分といろんなことをやっていらっしゃるんじゃないかなと思うんですが、どのような理由でというか、内容でこのようなばらつきが生じる件数になっているのか、調査の具体的な内容について差し支えない範囲でお教えいただきたいと思います。
 また、先ほども触れた品川区の不法投棄事案でもわかりますとおり、都が一生懸命監視活動を強めてもなかなか後を絶たない悪質業者による不法投棄事案について、許可取り消しなどの行政処分の発動を行うなど毅然とした対応で臨んでいただいて、産廃処理業界から確実にそういう不適正な方々を排除していくということが非常に重要であります。
 産廃Gメンの発足からこれまでに何件程度の行政処分を行ってきたのか、伺います。


〇井戸廃棄物対策部長
 産廃Gメンの活動につきましては、廃棄物処理の状況ですとか、あるいは課題に対応しまして、何を重点的に取り扱うかによって立入検査などが異なってまいります。
 例えば平成十七年度につきましては、問題があります現場での廃棄物の搬入監視ですとか追跡調査などに力を入れていたため、年間の立入件数は百四十件前後となってございます。一方、平成十九年度は、建設廃棄物の不法投棄の未然防止を図るため、建物解体工事現場への立ち入り指導などを強化した結果、全体で二千百件程度の立入検査になってございます。
 お尋ねの行政処分でございますけども、先ほどお答えしたような不法投棄に関する事案のほか、複数の無許可業者にみずからの会社名を使わせていた悪質な名義貸しの事案などにつきまして、それぞれ数カ月から半年近くの時間をかけまして事実関係を調査し、確認の上、許可取り消しや営業停止などを行っております。
 このように、産廃Gメンが直接にかかわった行政処分の件数は、平成十四年度の産廃Gメン発足以来これまで三十三件となっております。


〇吉田委員
 許可取り消しや営業停止という形で具体的に実績が上がっているわけでございます。
 ただ、これが単に産廃Gメンとしての実績にとどまるのではなくて、本来の目的でございます東京都も含めた周辺自治体の不法投棄の抑制ということにつながってこそ、大変に意味があるというわけであります。
 現場調査や広域監視、あるいは行政処分の発動など、日ごろの産廃Gメンの活動が具体的にどのように都や周辺自治体の不法投棄の減少につながっているのか、お伺いをいたします。


〇井戸廃棄物対策部長
 産廃スクラム28を構成しております関東甲信越などの自治体のエリア内では、産廃Gメン発足前の平成十三年度に六百二件でございました不法投棄の件数が、平成十九年度には百二十八件と五分の一近くまで大きく減少しております。同じ時期の他の地域での不法投棄の件数の減少幅は二分の一程度でございますので、産廃スクラム28区域内の減少は他の地域と比べても顕著でございます。これら不法投棄件数の減少には、都の産廃Gメンの活動も大きく寄与していると認識してございます。


〇吉田委員
 産廃Gメン発足前の平成十三年、六百二件であった不法投棄の件数が、平成十九年には百二十八件と五分の一近くまで減少したというのは、本当に大きな成果であると私は認識いたします。私も、前にいた職場でも不法投棄の事案というのは非常に頭を悩ましておりましたので、こういう数字を見て、驚きとともに、本当にすばらしい業績だというふうに改めて認識をする次第でございます。
 これまでの質疑、やりとりをさせていただいて、産廃Gメンの活動が都やその周辺自治体の不法投棄の減少に大きく寄与していることがよくわかりました。このような不法投棄撲滅に向けた東京都の取り組みがもっと広く都民に知られてもよいのではないかと思います。この産廃Gメンの活動を都民や周辺自治体の住民にもっと知っていただくことで、また不法投棄に対する取り組み、そして不法投棄自体に対する社会の関心が高まれば、こういうことをする、不適正なことを行う業者あるいは事案のさらなる抑制にもつながるはずであります。今後、局のホームページなどの媒体をより有効に使っていただいて、産廃Gメンの活動をより効果的に都民にアピール、PRしていくことで、不法投棄の撲滅への一助となるようにしていただくことを私からも提案をさせていただいて、次の質問に移らせていただきます。