環境・建設委員会 (首都高速の料金改定について)
|
平成21(2009)年3月17日
環境・建設委員会
〇吉田委員 続きまして、第九十二号議案の首都高速の行う道路事業の変更に対する同意の案件についてお伺いいたします。 今回の首都高速道路の料金改定は、昨年十月に国が打ち出した生活対策における高速道路料金の大幅引き下げを受けたもので、対距離料金の二年先送りと料金の引き下げが柱であると認識しております。このうち料金引き下げに絞ってお伺いするんですが、先ほど大津委員の方から、この引き下げの内容について質疑がございましたので、この内容はわかりました。 主な割引の内容は、ETC利用者を対象として、まず第一に、普通車の休日割引について平成二十三年三月三十一日まで現行の二〇%から三〇%に拡充をすると。そして第二に、事業者向けの大口多頻度割引について現在は車両ごとに首都高の利用月額が五千円を超えたものを対象に、利用月額に応じて最大一二%の割引を実施しているのを、今回これに加えて複数の車両を保有する企業や団体ごとに、一団体当たりの利用月額の合計が百万円を超えるものについて、利用車一台当たり月額平均利用額が五千円を超える場合にさらに五%の割引を行うということだというふうに理解いたしました。 この割引で、どのぐらいの方が割引の適用を受けるのか、これについてお伺いを、どれくらいの方が恩恵をこうむるのかというか、カバーされるのかということについて、お伺いいたします。
〇野口道路管理部長 今回の首都高速道路料金割引案で、どのくらいの方が割引の適用を受けるかということでございますが、首都高速道路株式会社では、休日割引の対象となる車はETCを装着した普通車六十九万台と見込んでおりまして、これは休日一日当たりの全通行車両九十一万台の七六%に当たります。 また、新たな大口多頻度割引の対象となる車は、一カ月間に首都高を通行している事業用車両の約五百二十万台のほとんどが対象になると見込んでおりまして、これは首都高全体の利用台数の約一五%に当たります。
〇吉田委員 ありがとうございます。 ETCの普及の率に比べますと、この割引の適用で恩恵を受ける方の割合は予想以上に高いんだなという印象を受けた次第でございます。これはこれで、効果のある割引を行うんだなということが理解できました。 ただ、この割引の日曜、祝日ということでございますが、東日本高速道路や阪神高速などでは、これまで土曜日を含めた休日割引を行っております。今回さらに土曜日も含めた休日割引を拡充するとしているわけであります。これに対して首都高では、どうして土曜日の割引を行ってもらえないのか、ちょっとこの理由を教えていただければと思います。
〇野口道路管理部長 首都高速道路株式会社では、休日割引を日曜、祝日のみとし、今回もこれまでと同様、土曜日を休日扱いとしておりません。 その理由は、首都高の土曜日の交通量、渋滞量が平日とほぼ同等であり、土曜日に割引を適用すると交通量が増加し、渋滞に拍車をかけるおそれがあるからであります。 なお、日曜、祝日は平日の八割以下の交通量で、利用時間帯も分散し、渋滞量も平日の約半分となっているため、従前から休日割引の対象としております。
〇吉田委員 理由というか、根拠というか、現在の状況に応じてやっていらっしゃるんだなということはわかりました。 ただ、私もドライバーの一人として、道は込んでいれば使うのをあきらめて、すいていれば使うというか、うまく状況に合わせてドライバーも考えるわけで、私どもの民主党は、いろいろの観点から、大都市圏以外の高速道路については、この有料制の撤廃ということを提案しているわけであります。 私は、個人的には、ぜひ首都高も、首都東京に住むドライバーの一人として本当に無料化してほしいなと。これは我が党にも一生懸命これを突き上げていきたいと思っているんですけれども、そこでお伺いするわけですけれども、この首都高の現時点での残計画というのはどれぐらいあるのか。そして、債務の償還というのはどのようになっているのかお伺いいたします。
〇野口道路管理部長 現在、首都高速道路株式会社が国土交通大臣から事業認可を受けている新設事業路線は、都内では中央環状新宿線及び品川線、並びに晴海線でございます。 中央環状線のうち新宿線については、四号新宿線から三号渋谷線までの五キロメートルを平成二十一年度、さらに湾岸線までの九キロメートルの品川線については平成二十五年度の完成を目指し、整備を行っております。 また、晴海線は、豊洲から晴海までの一・二キロメートルを平成二十四年度の完成を目指し準備を進めております。 さらに、供用中路線の改築事業といたしましては、板橋・熊野町ジャンクション及び小松川ジャンクションの改良工事など事業化に向けた準備等を進めております。 債務償還につきましては、首都高速道路公団が民営化された平成十七年度から、四十五年間ですべての債務を返済するスキームとなっております。
〇吉田委員 ありがとうございます。 この債務償還が終われば、首都高は無料開放となるのか、一応念のため改めてお伺いいたします。
〇野口道路管理部長 無料開放となるのはということでございます。 平成十六年六月に改正されました道路整備特別措置法の規定では、料金徴収期間の満了の日は、会社設立の日から四十五年を超えてはならないと規定されております。このことから、首都高速道路株式会社が料金徴収することができるのは、会社を設立した平成十七年十月から起算して、四十五年後まででございます。 なお、法律上、料金徴収期間満了後は、東京線の区域の高速道路資産は、道路管理者である都に帰属することとなっております。
〇吉田委員 ただいまのご説明で、十七年から四十五年後、今から四十一、二年後には無料開放になると。その後は首都高速は都に帰属するとなっているということで、私はそのころ八十二歳とか、ちょっと平均寿命が男性は七十九・一九歳と、二〇〇七年ですね、ということで、ちょっと死んでいる可能性もあるんですけれども、そういうときになれば、私の念願でございます首都高もただで、ドイツのアウトバーンやアメリカのフリーウエーのように乗れるのかなと、何とか長生きしたいなと思っているのでございますけれども、そういう現在のスキームもぜひいろいろの努力のもとで頑張っていただきたいんですが、ちょっと最後の質問をする前に、これまで首都高ではどのような割引を実施してきたのか、ここをまずお伺いいたしたいと思います。
〇野口道路管理部長 首都高速道路株式会社では、現在、時間帯により一定の率の割引を行う時間帯別割引や日曜、祝日など曜日別割引のほか、障害者割引や路線バス割引など各種割引を行っております。 また、過去には、首都高速道路株式会社独自に首都高ホリデーパスという会社企画も実施しております。これは、ETC搭載の普通車を対象としたもので、日曜、祝日に首都高料金、東京線七百円の二回分の千四百円で、一日乗りおり自由となる割引でございまして、期間限定、事前申込制により実施したものでございます。
〇吉田委員 ただいま、いろいろとお教えをいただきました。大変長期間、料金が現状だと続くんだなということですけれども、私だけでなく多くの都民が期待していると思うんですけれども、とにかく一刻も早く、早期に債務を償還する努力を行っていただいて、着実にというか、早急に無料化、後世に向けて頑張っていただきたいと思うわけであります。そして、この無料化に先立ちまして、より使いやすい料金制度というのを、その一つ手前の利用者へのサービスとして努力していただきたいと。
例えば、先ほどご説明のありました普通車を対象とした千四百円の一日乗りおり自由となれば、ホリデーパスとかこういうのもあったわけでありますけれども、初乗り七百円が倍の千四百円というと、なかなかやっぱりこれは使いにくいというか、しかも事前申込制だったわけですよね。いろいろと難しいこともあるんだと思うんですが、実際にドライバーとして首都高を運転していると、まず一つ事実として、合流地点よりも分岐地点で事故が多いということを伺っております。合流地点より分岐点が事故が多いのはなぜかというと、本当はあっちに行きたかったんだけれど、ちょっと具体的にいうと、羽田に行きたかったんだけれど間違えて、レーンを間違えた、こっちに行くと上野に行っちゃうと、そこで慌ててハンドルを切ってぶつかるとか、こういう行き先を間違ってしまって事故が起きる。あるいは、ここでおりたかったんだけれども、隣がびゅんびゅん走っているからレーンを変えられなくて、そのまま泣く泣く次に行きそうになって立ち往生してぶつかったとか、分岐点での事故が多いというふうに伺っております。 これも、七百円必ず一回乗ると払わないといけないので、あっ、一個乗り過ごしちゃったと、だけれど、まあ次でおりてまた一回首都高乗って隣にまで戻ればいいや、でもそれ七百円またかかるなと思うと悔しいので、そこで無理やりおりちゃうとか、あるいは行ったところで仕方ないから下を通って帰ってきて大幅に遅刻しちゃうとか、皆様本当に、多分身につまされてお感じになっている方はいっぱいいらっしゃると思うんですよ。ですから、例えばメトロで三十分間だけ乗り継ぎのときは初乗り料金を取り直しませんよとか、こういう努力も地下鉄の方はされているわけで、一回おりても一時間以内に乗れば最初の七百円で乗れますよとか、こういうことをすれば安心して道を間違えられるので、無理やりハンドルを切って事故を起こす人が減るとか、安全対策上も非常に有効だと思います。 ETCのようなものがなかった時代と違って、いろいろと工夫ができる時代になっていると思いますので、ぜひ弾力的な料金体系というか、サービスというか、こういうものを本当に利用者が利便を感じられる、失敗してもやり直しがきくというか、こういう料金体系をぜひ実現していただけないかなということを、ぜひ都から国に要望していただけないかということをお願いして、質問といいましたけれども、要望にとどめさせていただいて私からの意見を、質疑を終えさせていただきます。
|
|
|