各会計決算特別委員会 第二分科会 (少子化対策について)

平成20(2008)年10月20日

各会計決算特別委員会

〇吉田委員
 次に、子育ての支援策についてお伺いをいたします。
 これまで私、二回にわたって一般質問もさせていただいておりますが、まず、我が国の出生率が他の主要先進国と比べてどのようになっているのか、現在の状況を改めてお伺いいたします。

〇吉岡少子社会対策部長
 我が国と欧米諸国の合計特殊出生率についてでございますが、二〇〇六年の数値で申し上げますと、日本は一・三二でございまして、他方、アメリカは二・一〇、フランスは二・〇〇、イギリスは一・八四、そしてドイツは一・三二となっております。

〇吉田委員
 ありがとうございます。
 我が国で続いている合計特殊出生率一・三前後という数値は、欧米先進国と比べても極めて低い水準でありまして、そのまま続くと二一〇〇年に人口が三千万人台に落ち込み、人口の半分が高齢者という超々高齢化が進み、社会が維持できなくなるおそれがあるという極めて問題な事態というか、状態であります。中でも東京の出生率は全国最下位、二〇〇七年で一・〇五という最下位の状況が続いておりまして、東京都が抱えている状況、問題が最も深刻なわけであります。
 よく、我が国の出生率が低いことについて、社会の成熟だとか価値観が多様化したからだとか、こういうことをおっしゃって、まるで仕方がないこと、避けられないことであるかのようにいう方がいらっしゃいますが、それでは出生率が高いフランスやイギリスや北欧諸国は日本より社会が成熟していないのか、価値観が多様でないのかと、こういうふうに考えますと、非常に笑われてしまう議論なわけであります。
 昨年十二月の一般質問でご答弁いただいたとおり、家族関係社会支出の対GDP比を見ますと、フランス、スウェーデンなどヨーロッパの先進諸国は我が国の四倍以上の支出をしておりまして、まさに彼我の差、我が国との差はそこにあることが明白であると私は認識をしております。
 我が国においても、希望する方がだれでも不安感なく子どもを産み育てることができるような環境を整備すること、本当に重要であります。
 そこで改めまして、十九年度を含め、これまでの都の子育て支援策の主な取り組みについてお伺いします。

〇吉岡少子社会対策部長
 都は、平成十七年四月に次世代育成支援東京都行動計画を策定し、子育てに関する地域の相談支援体制の充実や、認証保育所、認可保育所などによる保育サービスの拡充など、次世代育成の取り組みを進めてまいりました。
 事業の実施状況でございますが、保育サービスの充実につきまして、保育利用者数を、平成二十一年度までに十八万四千人分整備するという目標を設定いたしまして、平成十九年度末現在で約十八万一千人分を整備したところでございます。
 次に、地域の子ども家庭相談の拠点となる先駆型子ども家庭支援センターにつきまして、平成十九年度末までに全区市設置という目標を立てまして、これにつきましては、平成十九年度末現在で四十三区市に設置したところでございます。
 また、子育てひろば事業につきまして、平成二十一年度までに六百三十一カ所設置という目標を設定いたしまして、これにつきましては、平成十九年度末現在で六百十一カ所設置しているところでございます。

〇吉田委員
 これまで都がさまざまな取り組みを行ってこられたということは、よくわかりました。特に都独自の認証保育所の創設など、国に先駆けた取り組みも実践をしているということは、私も高く評価をしているところであります。
 しかしながら、残念ながら、こうした事業、お取り組みが、即安心して都民が子どもを産み育てる、そういう人の増加、そして結果的に出生率が上昇している、こういう状況になっていないわけであります。そしてまた、都内の待機児童数を見ましても、今年度の調査結果では五千四百七十九人と、昨年度に比べて八百人以上もふえているという結果も出ております。
 こうした状況を踏まえまして、さらに抜本的な子育ての支援策というのを都としては打ち出して、目に見えた形で安心して産み育てられる、そして少子化という状況に、対策に効果が出るように取り組んでいくべきではないか、このように思うんでございますが、いかがでしょうか。

〇吉岡少子社会対策部長
 都は、平成十八年十二月に「十年後の東京」を策定いたしまして、その中で社会全体で子育てを支援するという目標を掲げておりますけれども、これを実現していくためには、大都市東京のニーズに即した、より喫緊の課題について重点的に取り組み、効果的な子育て支援策を実施していくことが必要であると考えております。
 こうした認識のもと、短期間で集中的に施策を展開するため、平成十九年十二月に子育て応援都市東京・重点戦略を策定いたしまして、働きながら子育てできる環境の整備や子育て支援サービスの改革、子育てに優しい環境づくりについて、重点的に取り組んでいるところでございます。
 また、平成十九年十月に設置をいたしました、行政、企業、NPOなどで構成する子育て応援とうきょう会議における取り組みを通じまして、社会全体で子育てを支援する東京の実現に取り組んでおります。

〇吉田委員
 いろいろともろもろの施策の充実をしていただくことは、もちろん重要でありまして、ぜひ取り組んでいただきたいわけでありますが、それらの施策に都として取り組んでいただいた結果、子育てしやすい社会になってきて、子どもを産む人が増えて、子どもが少しふえたという成果というか、社会の変化、だれが見てもわかるような評価の物差しというか、個々個別の施策の目標だけじゃなくて、明快な全体像を示す指標というか、こういうものが必要なのじゃないかなと思うわけであります。
 例えば、二〇〇五年に行われた国の出生動向基本調査では、我が国の夫婦の持つ理想の子どもの数が二・四〇人と示されております。二・四〇人子どもを持ちたいとご夫婦は思われている、理想的には。私は、この数が達成されたときこそ、子育てしやすい社会というのが我が国において実現したんだということにほかならないんだと思います。
 そこでお伺いしますが、現実、都内の子どもを持つ世帯、一世帯当たりの子どもの数はどう推移しているんでしょうか。

〇吉岡少子社会対策部長
 お尋ねの内容に当てはまる統計調査項目というのは、大変恐縮でございますが、ちょっと存在をいたしませんので、仮に国勢調査をもとに、都内の子どもの数を十八歳未満の親族がいる世帯数で除した数値というのを計算してみました。
 これによりますと、一世帯当たりの子どもの数は、平成十二年では一・六六人、平成十七年では一・六五人というふうになっております。

〇吉田委員
 ありがとうございます。
 実際に、十八歳未満の親族、つまりお子さんがいるだろうという世帯で考えても、平成十二年に一・六六人だったのが、五年たっても一・六五人で、逆にちょこっと減ってしまっているというか、横ばいというか、子どもをお持ちの世帯に限って見ても、先ほど理想とご夫婦がいわれる子どもの数二・四〇にはるかに及ばないという現実がありまして、この間、都は、今ご答弁あったとおり、いろいろな子育て支援策を展開していらっしゃるわけですが、なかなかその効果がはっきり見えてこないと。
 本当にこの際、都民にわかりやすい具体的な目標を設定して、それに照らして今の施策、さまざまな施策やっていただいていますが、これが効果を上げているのか、まだ不十分でもっとやらなきゃいけないのか、判断をしていくことが必要じゃないかと私は思うわけであります。
 政府では、昨年十二月に、内閣官房長官を議長とする子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議、これは各関係の大臣と、あとは財界団体とか、そういうところが委員になっておりますが、この検討会議において重点戦略を取りまとめました。そこでは、国民の希望する結婚や出産、子育てが実現したと仮定して出生率を計算すると一・七五程度となると。
 国民が希望する結婚、出産、子育て、これが実現すると、一・七五程度の出生率になるんですよと。そして、今の国全体で一・三という、この乖離を生み出している要因を除去し、国民の希望が実現できる社会経済環境を整備することは、我が国にとって不可欠な政策課題であると、このように重点戦略、これを取りまとめているんですね。
 この見解、東京都としては、これは同じ認識だというふうに理解してよろしいんでしょうか、お伺いします。

〇吉岡少子社会対策部長
 国の子どもと家族を応援する日本重点戦略で示されました、国民の希望が実現できる社会経済環境の整備についての認識でございますけれども、今、委員のご紹介のございました出生率一・七五程度につきましては、国のこの重点戦略で数値目標に掲げられたものではございませんで、こういう試算をしてみるとこういう数字になるということが紹介をされているというものでございます。
 一方、都といたしましては、子どもを産み育てることを望む人たちが安心して子育てができ、次代を担う子どもたちが健やかに成長していく環境を整備することは必要であり、行政を初め、社会全体で取り組むべき課題であると考えておりまして、この点については国と同様の認識でございます。

〇吉田委員
 ありがとうございます。
 もちろん、国でも、この一・七五というのは達成しなきゃいけないという目標というわけではなくて、これが国民の希望ですよという試算であります。
 ただ、実はこれは、先進諸国、先ほどご紹介のあった、フランスで二・〇とか、アメリカは移民がありますのでちょっと除外しても、イギリス、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランド、アイルランド、あるいはちょっと状況違いますが、ニュージーランド、オーストラリア、私の記憶では大体こういう国々が、この一・七五程度以上の出生率の実現をしておりまして、日本人の方も、理想というか求めている、子どもを持ちたい方、結婚したい方、そうじゃない方ももちろんいらっしゃって、そういう全部を合わせてみると、ヨーロッパと同じようなご希望の姿なんだなと。片や実現している、日本は実現してないということだと思うんです。
 ですから、ぜひ都としてこれをとはいいませんが、都として都民にわかりやすい、子育てしやすい社会であるのかどうかということを図る指標、あるいは目標を設定して、いろいろな施策に取り組んでいただきたいというふうに念願いたします。
 例えば夫婦の子ども数が二・四〇になれば指標一〇〇、あるいは出生率が一・七五程度になれば指標一〇〇。その指標で、東京都としては七〇とか八〇を目指すとか、そういうことができないのかなと。その上で、フランスなど子育て先進支援国といわれる国々の施策も、あるいはその国の諸都市の施策も参考にしながら、東京の子育ての施策を多面的に充実をさせていただいて、国に対しても積極的な施策の展開を働きかけていただきたい、このように思うわけであります。
 こうしたことも含めて、東京の子育て環境の整備、子育て支援に係る局長の決意をぜひお伺いいたして、質問を終わります。