財政委員会 (徴税努力・滞納整理の方向等について)

2005.10.25 : 平成17年財政委員会


◯吉田委員
 皆様、長時間、お疲れさまでございます。私からは、徴税努力、滞納整理の方向等について何点かご質問をさせていただきます。
 主税局では、ここ十年で、先ほど各委員がお触れになりましたとおり、都税の徴収率が非常に上がった、あるいは個人都民税についても徴収率が上がったということも含め、都税の滞納額も四分の一に圧縮した、こういう大変なご努力をされていることに高く評価をさせていただくところでございます。
 
 事前に勉強いたしましたところによりますと、地方税法には滞納があった場合には差し押さえをしなくてはならないと定められております。主税局では督促を出した後、催告状を出し、さらに電話催告や自宅訪問を行うなど、きめ細かな納税交渉をしていると伺っております。滞納した人というののほとんどはうっかり払い忘れたという方々だと思われますので、いきなり差し押さえということをするのではなくて、このようなきめ細かな対応をしておられるということは、まことに適切なお取り組みであると、私は認識をしております。
 
 一方で、脱税のような悪質な例につきましては速やかな対応が必要でありまして、このあたりのバランスは、本当にご担当の方はなかなか難しい判断を迫られているのではないかと理解をいたしております。
 
 また、歳入の根幹でございます都税の徴収率の向上のためには、社会情勢の変化に応じて滞納整理の手法も進歩させていく必要があるというふうに考えております。そこで、滞納整理の方向性について、幾つかご質問申し上げます。
 
 一般的な滞納整理の流れとしては、督促状と催告状を出して、電話や訪問による納税交渉を行い、それでもなお納税しない場合には財産を差し押さえるというわけでございますが、昨年度はどの程度の差し押さえを実施されたのか、お伺いいたします。


◯吉田徴収部長
 平成十六年度における差し押さえの件数は、二十五都税事務所合計で約二万件でございます。


◯吉田委員
 二万件と一口に申しましても、社会保険庁が昨年度実施した差し押さえの件数は全国で百十件と発表されておりますから、そこと比較いたしましても大変なご努力であろうかと思われます。
 
 それで、この差し押さえ財産の内訳について、どのようなものなのかお伺いいたします。


◯吉田徴収部長
 平成十六年度の都税事務所における差し押さえの財産別内訳は、電話加入権が最も多く、約九千件、不動産が約五千件、給与、預貯金、生命保険等の債権が約四千件、自動車が約二千件となってございます。


◯吉田委員
 ただいま生命保険まで差し押さえるということでございまして、本当に緻密な納税交渉を行っておられるんだなと、頭の下がる思いでございます。
 
 そこで、電話加入権が最も多いというご答弁でございましたが、NTTの施設設置の負担金の引き下げや、携帯電話の普及あるいはIP電話等の台頭によりまして、電話加入権の価値は大変下がっているのではないかと思われますが、ここのところをお伺いいたします。


◯吉田徴収部長
 全日本電気通信サービス取引協会の調べによりますと、平成七年には約五万五千円であったNTT電話加入権の都内における取引相場は徐々に下降いたしまして、現在では約七千円程度となっているところでございます。


◯吉田委員
 といいますと、九千件の電話加入権の差し押さえにかわる滞納整理の手法が今後必要になってくるということだと思います。
 これに関連しまして、昨年、私どもの党の酒井議員が質問しておりますが、平成十六年度に開始したインターネット公売につきまして、その後の現在までの状況を簡単にお伺いしたいと思います。


◯吉田徴収部長
 昨年七月に開始したインターネット公売は、ことしの三月には不動産のインターネット公売を開始するなど、合わせて六回実施いたしました。六回の合計で、不動産につきましては十四件で二千六百万円を、また動産につきましては百九十一件で四千六百万円を売却したところでございました。


◯吉田委員
 なるほど、インターネット公売を導入することで、差し押さえる財産を電話加入権から自動車や動産というものにシフトをしていくことが可能になったということがわかりました。
 
 このほかにはどのような手段を講じておられるのか、再度お伺いをいたします。


◯吉田徴収部長
 電話加入権の対策ということだけではございませんが、主税局では、昨年開始したインターネット公売を背景といたしまして、捜索を積極的に実施して、自動車や動産の差し押さえを推進しているところでございます。
 
 また、給与や預貯金等の債権差し押さえも合わせて推進しておりまして、都税事務所における財産別差し押さえ件数割合で申し上げますと、電話加入権につきましては平成十四年度の五二%が、平成十六年度には四五%に、さらに今年度は九月現在で三八%にまで低下した反面、債権につきましては平成十四年度の二〇%が、平成十六年度には二一%、さらに今年度は九月現在で二九%にまで増加しているところでございます。


◯吉田委員
 ただいま捜索というご答弁がございましたが、捜索はどのような場合に実施をするのか、また昨年度及び本年度の捜索の実績はどうなっているのか、お伺いいたします。


◯吉田徴収部長
 捜索は、滞納者が財産の任意提供を拒んだ場合ですとか、滞納処分のために必要があるときに行われるものでございます。捜索の実施実績につきましては、平成十六年度は、徴収部及び都税事務所で合計四十九件の捜索を実施いたしました。今年度は、九月末現在で徴収部及び都税事務所で既に五十四件の捜索を実施しているところでございます。


◯吉田委員
 まじめに歯を食いしばって納税をしておられる方々がほとんどである一方で、そういう悪質な、払わないという方もいらっしゃるわけでございます。財産の差し押さえをするということで九割方の滞納者は納税をして、売却というところまで至る滞納はほんの一部にすぎないということも聞いております。これはやはり納税の秩序というものをきちんと守っていただくというためにも、皆様のご努力をさらに続けていただかなければいけないと思います。
 
 これもまた事前に勉強いたしたのですが、公売による売却益が滞納額を上回った場合には、その残金は滞納者に渡すということでございますが、インターネットの公売につきましては、まだそのような、売却額が滞納額を上回った例はないということとお聞きしております。つまり公売という新しいツールを使っても、まだなかなか滞納された金額の全部を網羅するというわけにもいかないということで、先ほどのご質問にもあったとおり、いろいろの先進的なお取り組みも含めて、さらにご努力をいただければと思います。
 
 これは余談でございますが、ある人から、社会派のコミックで「壁ぎわ税務官」という十八巻のコミック、勧められて読ませていただいて、日ごろの徴税職員の方々のご苦労ということを、ちょっとかいま知った思いがいたしたんでございますが、本当に税制全体で、弱者に対しては配慮していく、しかし決められた税については社会的公正公平の観点から、きっちりと皆様ひとしく払っていただく、この秩序を守っていただくために、今後とも皆様のご努力をお願い申し上げまして、私からの質問を終えさせていただきます。